頭痛に関するあれこれ ”11”
『夜船』と『北窓』
私が最近へぇ~🙄と思った言葉なのですが、この言葉を聞いてピンと来た人はどのくらいいるのでしょうか?
今年の春分の日は3月20日でしたね。その前後3日がお彼岸です。
お彼岸と言えば、同じ物なのに時期によって呼び方が変わる食べ物がありますね♪
諸説ありますが
春に食べるのが『牡丹餅』で、秋に食べるのが『御萩』。
その時期に咲く花から付けられたんだろうなぁってことで、ほとんどの人が知っていると思います😃
冒頭に書いた『夜船』『北窓』という言葉ですが、夏と冬でも呼び名が変わるんです🤩
お餅は杵や臼を使って作るため音が出ます。一方牡丹餅を作るときは餅を搗(つ)かずに作るため音が出ないので、近所の人にいつ作ったか分かりません。
「搗き知らず」 → 「着き知らず」と言う言葉遊びからの『夜船』
(夜に船が着いても暗くて気付かないから)
「搗き知らず」 → 「月知らず」と言う言葉遊びからの『北窓』
(北側の窓からは月が見えないから)
となったようです🌛
昔の人は言葉遊び好きだったんですね💓と言うか発想がスゴイ!!
…
…
あっ、どうも理学療法士のTTMです😎
全然関係ない前置きがすごく長くなりました🙏 笑
それでは今回も張り切っていきましょう!
はじめに
いつも通り前回の復習からしていきましょう!
・イブプロフェン、アスピリンはWHOのエッセンシャルドラッグに含まれている
・アラキドン酸カスケードについて(ここでは割愛します💦)
・オレオカンタールはイブプロフェンと似た構造をしており、COX阻害作用がある
・50gの摂取でイブプロフェン1/10服用と同様の効果あり
・おまけが3個笑
省略しすぎてよく分からない方や気になった方は読み返してね💓
それではロキソプロフェンについて書いていきます🤩
ロキソプロフェン (Loxoprofen)
前回のイブプロフェンと同様にプロピオン酸系の一種で消炎鎮痛剤。
日本でもロキソニン(Loxonin)という商品名で有名ですね。
第一三共が開発したNSAIDsで、1986年に経口剤(錠剤と細粒剤)、2006年にはパップ剤、2008年にテープ剤(商品名:ロキソニンテープ)が発売されています。
NSAIDsについての説明はもう大丈夫ですよね⁉
えっ?ってなった方は過去のブログを見直してね🤩
プロドラッグ(prodrug)
急に出てきましたが『プロドラッグ』という言葉を聞いたことがありますか?
ロキソプロフェンはこのプロドラッグと言われるタイプの薬です。
これまで登場してきたNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の特徴として鎮痛作用が強い反面、消化器系への副作用も強いんです。
一方、プロドラッグは簡単に言うと、体内で吸収されるまで作用しないため、消化器系への副作用が少ないんです😌
もうちょっと詳しく説明していきます。
NSAIDsで最も考慮すべき副作用は消化管障害というのは何度も出てきているので皆さんもう覚えましたよね?
高い薬理活性を持つ化合物でも、投与したあと消化管内や肝臓で分解され、最終的に標的部位に届く濃度がかなり少なくなってしまう場合もあります。
そのため、消化管に負担をなるべくかけないように胃以外から血中へ吸収させる目的で、『坐剤』、『経皮吸収剤』および『プロドラッグ』などの剤形が考案されました。
簡単にそれぞれ見ていきましょう!
『坐剤』の特徴は、直腸粘膜より速かに吸収されるため即効性が期待できます。また、経口投与が困難な方にも適しています。
『経皮吸収剤』の特徴は、内服薬に比べ消化管障害などの副作用は少ないのですが、作用(効果)も弱くなってしまいます。さらに、局所の接触性皮膚炎や光線過敏症などの皮膚での副作用発現が多いことも注意しなければなりません。
ここで今回主役の『プロドラッグ』の登場です。
先ほども少し触れましたが、体内で代謝されてから薬理活性が高まるタイプの薬です。
それ自体は不活性ですが、標的部位に到達してから元の化合物に戻り、薬理効果を発揮するように化学的に修飾されているんです😍
詳しく書きすぎると一般の方が読みたくなくなってしまいそうなのでさらっと流しますが、どこで最終的な活性薬物形態に変換されるかで2つのタイプ(細胞内(タイプ1)・細胞外(タイプ2))に分類されます。
更にサブタイプA、Bと分けられ、活性形態への変換が行われる場所が薬物の作用の場所であるかどうかによって決められます。
少し話が戻りますが、吸収された後に活性代謝物に変換され作用するため、消化管などでCOXを阻害することなくPG類の抑制が少ないと考えられています。
疫学調査において、プロドラッグとそうでない経口NSAIDsでの消化管に関する比較試験があったので少しまとめて載せていきます。
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発症に有意差は認められなかったが、胃炎なども含めた異常病変位おいてはプロドラッグ使用群では有意に少なかった。(日本リウマチ財団)
・プロドラッグ群で有意に胃障害発症が少なかった。(健常ボランティア対象)
1996年〜2005年のスペインにおける消化管障害発症について検討した報告では、上部消化管障害が減少傾向にある一方、下部消化管障害は増加する傾向が認められる。
などなどでした。
今後もっともっと安全に使用できるように、消化管吸収性、組織移行性、組織選択性、化学的安定性などの向上を期待しています。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
この記事の投稿予定は3月のあたま頃を予定していましたが、あれやこれやでほぼ1ヶ月も遅れてしまいました💦
待っていた方(いるかな?)ごめんなさい😰
あと、本題に入るまでが長くてごめんなさい笑
次回は番外編2でも少し登場した『アセトアミノフェン』について書いていきます。
それでは皆さん首を長くせずにお待ち下さい笑👋