頭痛に関するあれこれ”14”
コロナウイルスの影響で自宅でのリモートワークされている方が、読者さんの中に1人くらいはいらっしゃるでしょうか。
もうだいぶ緩和されたかな🙄?
先日厚労省より
『4月の自殺者数が前年に比べ20%程度減った』
との発表がありました。
ここ5年間では最も大きな減少幅だそうです。
外出制限によるストレスよりも、学校や仕事に行くことによるストレスの方が大きく感じているのでしょうね😏
『おもしろき こともなき世を(に) おもしろく
住みなすものは 心なりけり』
先ほどのニュースを見たときにパッと頭にこの言葉が浮かんできました。
有名な言葉ですね。 高杉晋作の辞世の句(諸説あり) です(下の句は野村望東尼)。
『自分の心の持ちようで、世の中面白くなるんじゃね?』
という解釈でいます(もちろん異論認めます👍笑)。
つまり何が言いたいかというと、そういうことです(どゆこと?)
あっどうも。理学療法士のTTMです。
ちなみに最初の写真は私ではありません(高杉晋作です)。
今回はこれまで(頭痛に関するあれこれ”8”~)の薬(おもにOTC薬)についてまとめる感じで書いていきます🤩
はじめに
いつもの感じで前回の復習から行きましょう!
と思ったんですが、前回までのまとめを書いていくので今回は省きます笑
見直したい方こちからどうぞ👆
それでは今回も張り切っていきましょう🤩
OTC薬に関する復習
OTC薬とは『Over The Counter』の略で、要するに薬局などのカウンター越しに買える市販薬のことです。
NSAIDs
様々な種類の薬がありますが、はじめにNSAIDs(エヌセイズ)についての説明をしていきました。
NSAIDsも様々な種類がありますが、おおまかにまとめていきます。
末梢神経から中枢神経への経路に対して鎮痛作用を発揮していきます。
痛みを感じるのは神経ですが、その神経に対して刺激している発痛物質があります。
代表的な発痛物質がプロスタグランジン(PG)でしたね。
痛みの発生を順を追って説明していきます。
・身体的・心的など様々なストレスを受ける。
・それらのストレス刺激によって組織が損傷されると細胞膜にあるホスホリパーゼA2酵素が活性化する。
・細胞膜中のリン脂質からアラキドン酸を遊離する。
・遊離したアラキドン酸は3つの経路により代謝される。
・経路の1つであるシクロオキシゲナーゼ(COX)経路は、炎症や痛みに関連する。
・各組織に特異的なプロスタグランジン合成酵素によってPGE2などの化学伝達物質が合成される。
・これらの物質が損傷組織へ放出される。
・プロスタグランジン自体に発痛作用はないものの、発痛物質の疼痛閾値を低下させる。
・プロスタグランジンは局所での血流増加作用や血管透過性の亢進、白血球の浸潤増加など炎症を増強させる作用がある。
ここまではなんとかついてこれていますか😎?
遊離されたアラキドン酸からPGを合成する経路でCOXの働きを阻害することにより、抗炎症、鎮痛作用を発揮しています。
要するに上から4番目と5番目のところに作用しているということです。
プロスタグランジンがものすごく悪者的な印象になった方もいるかもしれませんが、ないとないで困ります。ケガしても痛みに気付かなかったら傷口から感染して、知らぬ間に酷くなってしまうかもしれません😰身体に起きている異変をお知らせしてくれているんですね♪
さてプロスタグランジンの汚名返上できたところで、ほかの働きについても書いていきます。
そのひとつに胃粘膜の保護があります。
シクロオキシゲナーゼにもサブタイプがあり、先ほどの身体の異変をお知らせするものはCOX-2、胃粘膜の保護などに関するものはCOX-1と呼ばれます。
シクロオキシゲナーゼ全般をを阻害してしまうと、COX-1なのかCOX-2なのか『見分けがつか~ん』(相同性は約60%)と言って胃粘膜の保護も阻害してしまうんですね💦そりゃ胃が痛くなったりするわけだ💔
以上がNSAIDsの基本的な作用機序についてのまとめです。
が、ここで終わるわけにはいきませんね。
上記を踏まえて人類は色々考えるわけです😌
・COX-2選択的阻害薬
・プロドラッグ化
COX-2選択的阻害薬
非選択的NSAIDsに比べて胃腸障害発生頻度は減少することが分かっていますが、全くないというわけではありません。それは、胃潰瘍の治癒促進にCOX-2が関与しているとの報告があるためと考えられています。
逆に血小板凝集作用を示すCOX-1への阻害作用が弱いため、心血管合併症を増加させる危険があると考えられています。
とは言うものの、実際に売っている薬剤の特性によって副作用の頻度は異なるようなので薬剤師さんに聞いてみるのがいいと思います😏
プロドラッグ化
過去記事ではロキソプロフェンがこれに当たります。
高い薬理活性を持つ化合物でも、投与したあと消化管内や肝臓で分解され、標的部位に届くまでに濃度が低くなってしまうことに着目したものです。
標的部位に到達してから元の化合物に戻り、薬理効果を発揮するように化学的に修飾されているため、体内で吸収されるまで作用せず、消化器系への副作用が少ないのが特徴です。
以上がNSAIDsについての簡単なまとめになります。
みなさんどのくらい覚えていましたか??
アセトアミノフェン
続きましてアセトアミノフェンです。
先ほどまでのNSAIDsは異なり、シクロオキシゲナーゼ阻害作用が弱く、抗炎症作用はほとんどないため、小児への解熱剤の第一選択薬としても使用されています。
合成されて100年以上経過しているものの、作用機序は未だによく分かっていないようです😰
今のところ一番有力な考えとしては、
代謝物であるp-アミノフェノール(肝で脱アセチル化され)は脳や脊髄などの中枢神経において、脂肪酸アミドヒドロラーゼ依存性にアラキドン酸と結合し、AM404(N-アシルフェノールアミン)を誘導します。
このAM404はカプサイシン受容体やカンナビノイド受容体へ作用し、強力な鎮痛・解熱作用を示す源になっていると考えられています。
また、セロトニン神経にも作用して下行性抑制系を賦活化することで鎮痛作用を発揮している可能性も示唆されています。
ACE処方
アセトアミノフェン(A)、カフェイン(C)、エテンザミド(E)の3種類の成分を合わせた解熱鎮痛成分の頭文字。
カフェインの主な作用はアデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用や利尿作用があります。
臨床的には片頭痛にも用いられています。
エテンザミドは5-HT2B受容体に対して選択的に結合し阻害活性を示すため、過剰な胃運動を抑制し、胃粘膜障害の発生を抑制するため障害は比較的少ないです。
(今回の範囲外ですが、気になる方は『頭痛に関するあれこれ”3”』参照)
・アセトアミノフェンが主に中枢神経で効果を発揮(即効性)
・エテンザミドが末梢神経から中枢神経への経路で効果を発揮(持続性)
・カフェインがこれらをサポート(効果増強)
この辺は前回の復習になっているので覚えている方も多いかな?
おわりに
対症療法としての薬の部分に関して自分の復習も含め、みなさんが見やすいようになるべくまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
全体像なんとなく分かりましたか?
次回は片頭痛に対して対症療法ではなく、原因治療として使用されている薬(トリプタン系とか)の話をしていこうと思いますが…まだ迷っています笑
私は理学療法士なので、薬よりも緊張性頭痛に対してのお話の方がとてもすすめやすいので、そちらで行こうかどうしようか…
では次回なにをチョイスするかお楽しみに😎